2025/05/04

Taiwan Today

文化・社会

ボローニャ国際児童図書展、台湾パビリオンが台湾のソフトパワーを表現

2023/03/08
イタリアで開催中の「ボローニャ国際児童図書展」で台湾の絵本作家が様々な賞を受けるなど高く評価されており、台湾パビリオン(写真)では版権の売り込みに積極的に取り組んでいる。(文化内容策進院サイトより)
児童書出版業界の国際的なイベント、「ボローニャ国際児童図書展(Bologna Children's Book Fair)」が3月6日から9日までイタリアで行われている。併催される原画コンクール「ボローニャ国際絵本原画展(Bologna Illustrators Exhibition)」は「挿絵界のアカデミー賞」と称されるもので、今年は台湾のイラストレーター、潘心屏さん、陳瑋璿さん、黄亮昕さんの3人が4,000人を超える世界のクリエイターの中から見事入選した。
 
文化内容策進院(Taiwan Creative Content Agency, TAICCA)の李明哲院長によると、今年、同図書展の台湾パビリオン(台湾の出版物の展示エリア)に出展した出版社は昨年から4割近く増えており、児童書の対外的な版権販売に対する業界の期待が見て取れる。また、台湾の作品が同原画展で毎年賞を受けていることで、台湾の創作能力の持つ国際的なビジネスチャンスも注目されているという。今年の同図書展はさらに創設60周年(第60回)にあたることから各国の関係者が積極的に来場しており、文化内容策進院では台湾の業者たちの海外市場開拓を奨励、より多くの版権販売につなげられることに期待している。
 
今年の台湾パビリオンは「台北国際ブックフェア」の常設主催団体である財団法人台北書展基金会(TBFF)が企画。台湾の出版社48社が参加し、238点の出版物を展示している。また、過去に「ボローニャSM出版賞」(International Award for Illustration Bologna Children’s Book Fair - Fundación SM)を受賞した鄒駿昇さんが2022年のデザインコンセプト「Taiwan Stories Market」を踏襲してデザイン、台湾のイラスト作品の多様な題材と様々なスタイルを表現した。パビリオン内では、文化内容策進院による台湾図書の国際市場向け版権プロモーションプロジェクト「Books from Taiwan」でアートディレクターを務める劉孟穎さんと、イギリスや米国の児童書の買い付け経験が長い董欣佳さんが版権スタッフを務め、海外のバイヤーらが台湾の出版物について知ることが出来るようサポートしている。
 
また、台湾の業者が自発的に海外のバイヤーに売り込めるよう、文化内容策進院は版権マッチング交流会を2回開催、ラトビアやブラジルで版権ビジネスに携わる人員を招いて双方向の版権の売り込み、ならびに世界のイラスト作品に関する情報交換を行う。このほか、台湾からの代表団と共に現地を訪れる林廉恩さん、薛慧瑩さん、葉馨文さん、陳瑋璿さん、黄亮昕さんら台湾のクリエイターたちも台湾パビリオンでのサイン会、そして台湾の音楽家、葉懷然さんと共に「イラストコンサート」を行うことになっている。
 
今年、台湾の出版物は原画展で入選したほか、孫俊さんの『誰的襪子』(Whose Sock?)が同図書展の中で行われる「ボローニャ・ラガッツィ賞漫画部門低学年向け(Bologna Ragazzi Award COMICS-EARLY READER)」の大賞を受賞、また海狗房東さんと陳沛珛さんの『他們的眼睛』(Still Young Still New)、于小鷺さんの『好地方』(Somewhere)、林小杯さんの『假裝是魚』(Let's Pretend We're Fish)、鄒駿昇さんの『捉迷藏』(Hide & Seek: The Search for the Clouded Leopard)、楊雲萍さんと王春子さんの『冷不防』(Unexpected)の5作品が「ボローニャ・ラガッツィ賞」選書100(BRAW Amazing Bookshelf Selected)に選ばれた。
 
 

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